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日経先物のプロが集結!

将来的にはそこまで金利が上がるかもしれないと金融機関が考えていることを意味する。
一・〇%の三倍以上の金利になっても返済を続けられるかどうかをチェックしているわけだ。
三〇〇〇万円、三五年元利均等返済だと、金利一・〇%なら毎月返済額は八万四六八五円。
年収四〇〇万円の人なら、返済負担率は二五・四%だから審査基準の三五%を問題なくクリアできる(実際に問題がないかどうかは別問題だが)。
しかし、三・七%の金利で計算すると毎月返済額は一二万七四八八円になる。
年収四〇〇万円での返済負担率は三八・二%に達する。
返済負担率の上限を三五%としている金融棟関なら審査基準にひっかかってしまう。
こうして利用者からみれば、まるで訳の分からない形で断られることも多かったといわれる。
実際、金融機関が懸念していたような金利上昇がはじまっている。
今後しばらくは二〇〇五年までの数年間に一・〇%などの超低金利ローンを借り入れていて、超低金利の特約期間が終了する人たちが続出する。
そうした人たちが大幅な返済額増額になったことに対して、「そんな説明は受けていない」「話が違う」などといったクレームを突きつけてくるのではないだろうか。
二〇〇四年末に全国銀行協会が傘下の金融機関に対して説明責任の徹底に関する通達を出したのも、そうした風潮への懸念からではないかと考えられる。
悪意的に考えると、将来は金利が上がり、返済負担が増えることを隠して、当面の金利の低さ、返済負担の軽さを前面に打ち出して顧客を獲得しょうという戦略といわれても仕方がない。
金融機関としては、当初三年間は儲けがなくても、住宅ローンを獲得すれば、それをベースにほかの取引きが広がる可能性が高いし、うまくすれば二〇年、三〇年の付き合いになるのだから、当面の利益は度外視してもかまわないということだろう。
金利上昇にも強いローンの強化に動くこうした反省を受けてか、最近では金融業界もいたずらな超低金利競争から、できるだけ固定期間の長いローンへのシフトを進めている。
超低金利ローンに比べると金利はやや高くなるが、利用者からみると安全度が高まるのだから、長い目でみれば歓迎すべき傾向だろう。
たとえば、住宅金融公庫の金利が二・〇%の史上最低金利の時代に、最長三五年まで一・九%という全期間固定金利型のローンを販売して話題になったメガバンクでは、金利上昇時代に対応する固定金利型ローンの開発にはたいへんな自信を持っている。
商品開発力によって他行との差別化を図るチャンスととらえている。
たしかに、金利の上昇は住宅ローンの販売面では金融業界にとって大きなマイナス要因になる。
市中の金利が上がってくれは、ロ1・ソ金利も上げないと利益を確保できないが、長い間低金利に慣れた消費者は大幅な金利上昇にはついてきてくれないという懸念がある。
実際、住宅金融公庫をはじめとするローン相談機関には、金利に関する問い合わせが増加しているといわれる。
消費者はより安心できる固定期間の長いローンのなかで、どの金融機関の金利が一番低いのか、鵜の目鷹の目になっている。
それに応えるために、体力のあるメガバンクは次章で触れるように超長期で「フラット35」に対抗できるローンを開発している。
が、そうでないところは、「フラット35」にシフトせざるを得ない。
それだけでは利幅が小さいので、「フラット35」に自行の独自ローンで変動要素は大きいが金利の低いローンを組み合わせたミックス型のローンの販売に力を入れるようになっている。
他人の袴を借りながら、自前のローンもさりげなく売り込んでいこうという苦肉の戦略ということもできる。
先にも触れたように、長い間低金利に慣れてきた消費者のなかには、いきなり金利の高い全期間固定金利型に全面的にシフトするのに抵抗感を持っている人が少なくない。
そうした人たちに対してはミックス型のローンの販売はアピール度が高い。
長期固定型の安心感をベースに、低金利のメリットも享受できるとなれば、高い関心を集めるのも当然のことかもしれない。
最長三五年まで金利が変わらない全期間固定金利型で、二・九八%という金利の低いローンを持っているメガバンクも、こうしたミックス型のローンの販売に力を入れているという。
低金利から「ふつうの金利」の時代が定着するまでの間は、そうした中間的な商品への注目度が高くなってきそうだ。
説明責任が徹底している金融機関を選ぶこうしたなかで、金融業界でも説明責任への意識が高くなっているようである。
「インターネットの普及によって情報格差がなくなり、お客さまの多くがいろんな住宅ローソを調べて比較検討されるようになっています。
以前は不動産の販売会社任せで決めてしまう方も少なくなかったのですが、自主的に選択される方の割合が確実に高まっているのです。
それだけに、住宅を扱う側の説明負荷がたいへん大きくなっています。
お客さまにピッタリと合った商品を揃える商品力だけではなく、窓口でお客さまに対応し、提案・説明に当たるスタッフの〝相談力〟が問われています」(メガバンク住宅ローン部門幹部)一般的な消費者にとっては、住宅ローンの利用は一生に一度か二度の重大なできごとだ。
それだけに、利用者にとって最も適切なローンはどれなのか、家計の金融関係全般を洗い直し、長い目でみたアドバイスや提案が必要になってくる。
その際には銀行が扱っている各種の預金商品だけでなく、保険や年金、株式投資信託なども含めたトータルな相談力の強化が不可欠である。
比較的年配の人であれば、ローンの繰上げ返済を含めて退職金の使い道、運用方法なども視野に入ってくる。
このため、行内に「リテールアカデミ-」と呼ばれる相談員の育成機関を設置、人材の育成プラン・キャリアパスの作成などに当たっているところもある。
ただ、この相談力には銀行による格差もあるし、消費者にとっては最初の窓口となる不動産会社などとのギャップもある。
ある金融アナリストはこんなふうにいっている。
「多くの銀行では、いまだに不動産会社からの紹介客に依存しています。
そうした客の多くは、不動産会社から、『あなたなら絶対大丈夫ですから』と太鼓判を押されてやってきます。
それに対して、銀行のなかにはローンほしさにフリーパスで通してしまうところもあるようです。
しかし、そんなに安易に融資していいのでしょうか。
何でもかんでも貸す銀行がいいのか、キチンと返せる範囲で貸すところがいいのか、冷静に考えておく必要があると思います」多く貸してくれるところがいいとは限らないこれは大手不動産会社の幹部の話にも共通する。
「住宅ローンを積極的に売るか売らないかは、同じ銀行でも支店長の考え方によるところが大きいようですね。
われわれの取引きしている金融機関でも、それまでA銀行のB支店で契約するお客さまが多かったのが、突然B支店が減って、C支店が増えはじめたということがあります。
調べてみると、ローンに積極的な支店長がB支店からC支店に異動していたのです」銀行では支店長に限らず三年ごとの異動が一般化している。
その間の業績を上げるために住宅ローンにシフトする支店長がいても不思議ではない。
三年たてば自分はいなくなるのだから、そのあとにローン破綻者などが続出しても関係はない。
当面の目標確保が最優先というわけである。
そんな銀行で融資を受けると、落とし穴にはまってしまうことになる。
いい顔をして融資してくれるだけではなく、ときには厳しく質問し、より安全な資金計画を提案してくれるような金融機関を選ぶことが重要だ。
逆説的ないい方になるが、「あの銀行は融資を受けやすい」というところより、「あの銀行は審査が厳しい」といわれるほどのところで融資を受けることができれば、より安全度が高いのかもしれない。

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